英語の分裂文(Cleft Sentence)|It isとWhat構文で強調する方法

「It was John who broke the window.」「What I need is more time.」——これらは英語の分裂文(Cleft Sentence)です。通常の文を2つの節に「分裂(cleft)」させることで、特定の要素を強調します。日本語の「〜したのは〜だ」や「〜なのは〜だ」に対応する表現で、会話でも文章でも頻繁に使われます。この記事では2種類の分裂文の仕組みと、強調の使い分けを解説します。

分裂文(Cleft Sentence)とは何か

分裂文は、1つの命題を2つの節に分けて表現することで、特定の情報要素を焦点化する構文です。元の文と同じ情報を伝えながらも、どの要素を強調するかを明確に示せる点が特徴です。

分裂文には主に2種類あります。

It-cleft(It分裂文)

最も基本的な分裂文です。「It is/was + 強調要素 + that/who + 残りの節」という構造を取ります。

It is/was + [強調したい要素] + that/who + [残りの情報]

元の文とIt-cleftの比較

元の文:John broke the window yesterday.
It-cleft(Johnを強調):It was John who broke the window yesterday.
It-cleft(昨日を強調):It was yesterday that John broke the window.
It-cleft(窓を強調):It was the window that John broke yesterday.
ジョンが昨日その窓を割った。
↓ 昨日窓を割ったのはジョンだった。
↓ ジョンが窓を割ったのは昨日だった。
↓ ジョンが昨日割ったのはその窓だった。

このように、強調したい要素を is/was の後に置くだけで、聞き手・読み手の注意をその要素に向けることができます。

It-cleftの例文

It is the training that makes the difference, not the talent.
違いを生むのは才能ではなく、練習なのです。
It was her kindness that impressed me the most.
私が最も感銘を受けたのは、彼女の優しさでした。
It is in these small moments that true character is revealed.
真の人格が明らかになるのは、こうした小さな瞬間においてです。
It was not until the 20th century that air travel became widely accessible.
航空旅行が広く普及したのは、20世紀になってからのことです。
It is the quality of attention we give our work that determines its value.
仕事の価値を決めるのは、私たちが仕事に注ぐ注意の質です。

that / who / which の使い分け

強調する要素後ろの関係詞
人(主語) who または that It was Sarah who solved the problem.
人(目的語) who / that / (省略可) It was Sarah that he called.
物・場所・時間・理由 that It was the book that changed my life.
ポイント: 日常会話では that が広く使われます。who はやや改まった印象になることがありますが、人を指す場合は who の方が自然に聞こえることもあります。

Wh-cleft / Pseudo-cleft(Wh分裂文)

Wh-cleft(擬似分裂文とも呼ばれます)は、「What + 節 + is/was + 強調要素」の構造を取ります。what で始まる名詞節が主語となり、be動詞の後に強調したい要素が来ます。

What + [背景情報を含む節] + is/was + [強調したい要素]

Wh-cleftの例文

What I need is more time.
私が必要としているのは、もっと時間です。
What surprised me most was her calmness under pressure.
私が最も驚いたのは、プレッシャー下での彼女の冷静さでした。
What they did was (to) apologize publicly.
彼らがしたことは、公の場で謝罪することでした。
What we want from our leaders is honesty and clarity.
私たちがリーダーに求めるのは、誠実さと明確さです。
What matters most in this situation is staying calm.
この状況で最も重要なのは、冷静さを保つことです。

Reversed Wh-cleft(逆分裂文)

be動詞と what 節の順序を入れ替えた形式もあります。強調要素が文頭に来ます。

More time is what I need.
私が必要としているのは、もっと時間です。(逆分裂文)
A thorough investigation is what this case requires.
この事件に必要なのは、徹底的な調査です。(逆分裂文)

It-cleft と Wh-cleft の違い

2種類の分裂文の主な違いをまとめます。

観点It-cleftWh-cleft
構造 It is + 強調要素 + that/who + 節 What + 節 + is + 強調要素
強調の位置 be動詞の直後(文中間) be動詞の後(文末)が多い
強調できる要素 主語・目的語・副詞句など幅広い 主に動作・状態・欲求の内容
使用頻度(口語) 高い 中程度
使用頻度(書き言葉) 高い 中〜高
日本語対応 「〜したのは...だ」 「...なのは〜だ」「...することは〜だ」

強調する要素の選び方

分裂文で強調する要素は、会話の文脈に応じて選びます。基本的な考え方は「相手がすでに知っている情報(旧情報)を背景節に、新しく伝えたい情報(新情報)を強調位置に置く」ことです。

強調できる要素の種類

主語の強調:It was the manager who made the final decision.
最終決定を下したのは部長でした。
目的語の強調:It was the report that she submitted, not the presentation.
彼女が提出したのはレポートで、プレゼンではありませんでした。
副詞句(場所)の強調:It was in Tokyo that they first met.
彼らが初めて出会ったのは東京でした。
副詞句(時間)の強調:It was after the meeting that she realized her mistake.
彼女が自分のミスに気づいたのは、会議の後でした。
副詞句(理由)の強調:It was because of your advice that I succeeded.
私が成功したのは、あなたのアドバイスのおかげです。

強調できない要素

注意: 通常の It-cleft では述語動詞(動詞そのもの)を強調することはできません。動作そのものを強調したい場合は Wh-cleft を使います。
誤り例:It was broke that John the window. (動詞の強調はできない)
正しい形:What John did was break the window.

口語と書き言葉での使用頻度

分裂文は口語・書き言葉の両方で使われますが、使用頻度と目的が異なります。

文脈It-cleft の使い方Wh-cleft の使い方
日常会話 訂正・明確化に多用
「It was Monday, not Tuesday.」
説明・欲求表現に多用
「What I want is a break.」
ビジネス文書 重要ポイントの強調
「It is the customer experience that matters.」
提言・方針表明
「What we need is a clear strategy.」
学術論文 論点の焦点化
「It is this distinction that the paper argues.」
研究目的の提示
「What this study examines is...」
スピーチ・文学 修辞的強調
「It is the people who decide.」
主題提示
「What drives us forward is hope.」

日本語との対応

日本語でも同様の強調構造があります。英語と日本語の対応を理解すると、英作文に応用しやすくなります。

It was John who called. → 電話してきたのはジョンだった。(日本語の「〜のは〜だ」)
日本語:「電話してきたのはジョンだった」
英語 It-cleft:「It was John who called.」
What I want is rest. → 私が欲しいのは休息だ。(日本語の「〜なのは〜だ」)
日本語:「私が欲しいのは休息だ」
英語 Wh-cleft:「What I want is rest.」

ただし、日本語は助詞(は・が・を・に)で強調を調整できるため、必ずしも分裂文に対応するとは限りません。日本語的発想をそのまま英語に持ち込まず、強調構文のパターンとして覚えることが大切です。

練習:通常文を分裂文に変換する

通常文を分裂文に書き換えるトレーニングが、構造の定着に有効です。

元の文:She decided to quit her job because of stress.

主語を強調:It was she who decided to quit her job because of stress.
理由を強調:It was because of stress that she decided to quit her job.
動作を強調:What she did was quit her job because of stress.
彼女はストレスで仕事を辞めることにした。
→ 仕事を辞めることにしたのは彼女だった。
→ 彼女が仕事を辞めたのはストレスのせいだった。
→ 彼女がしたことは、ストレスで仕事を辞めることだった。
元の文:The team launched the product in March.

主語を強調:It was the team that launched the product in March.
時期を強調:It was in March that the team launched the product.
目的語を強調:It was the product that the team launched in March.
チームは3月にその製品をローンチした。
→ 3月に製品をローンチしたのはチームだった。
→ チームが製品をローンチしたのは3月だった。
→ チームが3月にローンチしたのはその製品だった。

分裂文を使ったリスニング練習をしよう

分裂文はスピーチやポッドキャスト、ニュースでも頻繁に登場します。ListenUpの1,000問以上のリスニング問題で、実際の英語の強調表現に耳を慣らしましょう。

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まとめ:分裂文の2つのパターン

分裂文を使いこなすと、英語の表現に奥行きが出ます。特にライティング・スピーチ・ビジネス文書で「強調したい情報を明確に伝える」ために役立てましょう。GrammarUpでも文法練習ができますので、あわせて活用してください。

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