英語の分裂文(Cleft Sentence)|It isとWhat構文で強調する方法
分裂文(Cleft Sentence)とは何か
分裂文は、1つの命題を2つの節に分けて表現することで、特定の情報要素を焦点化する構文です。元の文と同じ情報を伝えながらも、どの要素を強調するかを明確に示せる点が特徴です。
分裂文には主に2種類あります。
- It-cleft(It分裂文):「It is ~ that/who ...」の形式
- Wh-cleft / Pseudo-cleft(Wh分裂文):「What ... is ~」の形式
It-cleft(It分裂文)
最も基本的な分裂文です。「It is/was + 強調要素 + that/who + 残りの節」という構造を取ります。
元の文とIt-cleftの比較
It-cleft(Johnを強調):It was John who broke the window yesterday.
It-cleft(昨日を強調):It was yesterday that John broke the window.
It-cleft(窓を強調):It was the window that John broke yesterday.
↓ 昨日窓を割ったのはジョンだった。
↓ ジョンが窓を割ったのは昨日だった。
↓ ジョンが昨日割ったのはその窓だった。
このように、強調したい要素を is/was の後に置くだけで、聞き手・読み手の注意をその要素に向けることができます。
It-cleftの例文
that / who / which の使い分け
| 強調する要素 | 後ろの関係詞 | 例 |
|---|---|---|
| 人(主語) | who または that | It was Sarah who solved the problem. |
| 人(目的語) | who / that / (省略可) | It was Sarah that he called. |
| 物・場所・時間・理由 | that | It was the book that changed my life. |
Wh-cleft / Pseudo-cleft(Wh分裂文)
Wh-cleft(擬似分裂文とも呼ばれます)は、「What + 節 + is/was + 強調要素」の構造を取ります。what で始まる名詞節が主語となり、be動詞の後に強調したい要素が来ます。
Wh-cleftの例文
Reversed Wh-cleft(逆分裂文)
be動詞と what 節の順序を入れ替えた形式もあります。強調要素が文頭に来ます。
It-cleft と Wh-cleft の違い
2種類の分裂文の主な違いをまとめます。
| 観点 | It-cleft | Wh-cleft |
|---|---|---|
| 構造 | It is + 強調要素 + that/who + 節 | What + 節 + is + 強調要素 |
| 強調の位置 | be動詞の直後(文中間) | be動詞の後(文末)が多い |
| 強調できる要素 | 主語・目的語・副詞句など幅広い | 主に動作・状態・欲求の内容 |
| 使用頻度(口語) | 高い | 中程度 |
| 使用頻度(書き言葉) | 高い | 中〜高 |
| 日本語対応 | 「〜したのは...だ」 | 「...なのは〜だ」「...することは〜だ」 |
強調する要素の選び方
分裂文で強調する要素は、会話の文脈に応じて選びます。基本的な考え方は「相手がすでに知っている情報(旧情報)を背景節に、新しく伝えたい情報(新情報)を強調位置に置く」ことです。
強調できる要素の種類
強調できない要素
誤り例:It was
正しい形:What John did was break the window.
口語と書き言葉での使用頻度
分裂文は口語・書き言葉の両方で使われますが、使用頻度と目的が異なります。
| 文脈 | It-cleft の使い方 | Wh-cleft の使い方 |
|---|---|---|
| 日常会話 | 訂正・明確化に多用 「It was Monday, not Tuesday.」 |
説明・欲求表現に多用 「What I want is a break.」 |
| ビジネス文書 | 重要ポイントの強調 「It is the customer experience that matters.」 |
提言・方針表明 「What we need is a clear strategy.」 |
| 学術論文 | 論点の焦点化 「It is this distinction that the paper argues.」 |
研究目的の提示 「What this study examines is...」 |
| スピーチ・文学 | 修辞的強調 「It is the people who decide.」 |
主題提示 「What drives us forward is hope.」 |
日本語との対応
日本語でも同様の強調構造があります。英語と日本語の対応を理解すると、英作文に応用しやすくなります。
英語 It-cleft:「It was John who called.」
英語 Wh-cleft:「What I want is rest.」
ただし、日本語は助詞(は・が・を・に)で強調を調整できるため、必ずしも分裂文に対応するとは限りません。日本語的発想をそのまま英語に持ち込まず、強調構文のパターンとして覚えることが大切です。
練習:通常文を分裂文に変換する
通常文を分裂文に書き換えるトレーニングが、構造の定着に有効です。
主語を強調:It was she who decided to quit her job because of stress.
理由を強調:It was because of stress that she decided to quit her job.
動作を強調:What she did was quit her job because of stress.
→ 仕事を辞めることにしたのは彼女だった。
→ 彼女が仕事を辞めたのはストレスのせいだった。
→ 彼女がしたことは、ストレスで仕事を辞めることだった。
主語を強調:It was the team that launched the product in March.
時期を強調:It was in March that the team launched the product.
目的語を強調:It was the product that the team launched in March.
→ 3月に製品をローンチしたのはチームだった。
→ チームが製品をローンチしたのは3月だった。
→ チームが3月にローンチしたのはその製品だった。
分裂文を使ったリスニング練習をしよう
分裂文はスピーチやポッドキャスト、ニュースでも頻繁に登場します。ListenUpの1,000問以上のリスニング問題で、実際の英語の強調表現に耳を慣らしましょう。
ListenUpで練習する(無料)まとめ:分裂文の2つのパターン
- It-cleft:「It is + 強調要素 + that/who + 節」——主語・目的語・副詞句などを強調する最も汎用的な形式
- Wh-cleft:「What + 節 + is + 強調要素」——動作・欲求・内容を強調するときに有効な形式
分裂文を使いこなすと、英語の表現に奥行きが出ます。特にライティング・スピーチ・ビジネス文書で「強調したい情報を明確に伝える」ために役立てましょう。GrammarUpでも文法練習ができますので、あわせて活用してください。