英語の省略(Ellipsis)を理解する|ネイティブが言葉を省く仕組み
省略(Ellipsis)とは何か
省略とは、文脈から復元できる要素を言語表現から取り除くことです。省略された部分が参照する表現を先行詞(antecedent)と呼びます。英語は語順が意味を担う言語であるため、省略にも一定のルールがあります。
英語の省略は主に次の3種類に分類されます。
- VP省略(VP Ellipsis):動詞句を丸ごと省く
- so / not 代用:節全体を so や not で置き換える
- Gapping(ギャッピング):並列構文の動詞部分を省く
その他にも、接続詞節での主語+be動詞の省略、名詞句の省略なども日常的に見られます。
1. VP省略(VP Ellipsis)
VP省略は英語の会話で最もよく見られる省略です。動詞句(VP)全体が省かれ、助動詞だけが残ります。「can」「will」「have」「did」などの助動詞が残るので、助動詞の後に何もない文を見たら VP省略を疑うのが読解のコツです。
基本的な VP省略の例
B: Yes, I have. [finished my homework が省略]
B: はい、終わりました。
VP省略と too / either
「〜も」を表す too(肯定文)や either(否定文)と組み合わせた構文でもVP省略が頻出します。
B: I do too. / So do I. [love sushi が省略]
B: 私もです。
B: I don't either. / Neither do I. [like horror movies が省略]
B: 私も好きではありません。
2. so / not 代用
so や not を使って、節全体(命題の内容)を代用する形式です。日本語では「そう」「そうじゃない」に近い感覚に対応します。
think / hope / believe + so / not
B: I think so. / I hope not.
B: そう思います。 / そうでないといいのですが。
B: I'm afraid so.
B: 残念ながらそうでした。
B: I hope not. The tickets were expensive.
B: そうでないといいですね。チケットが高かったですから。
so / not を使える主な動詞は以下の通りです。
| 動詞 | so(肯定)の例 | not(否定)の例 |
|---|---|---|
| think | I think so. | I don't think so. |
| hope | I hope so. | I hope not. |
| believe | I believe so. | I believe not. |
| expect | I expect so. | I expect not. |
| suppose | I suppose so. | I suppose not. |
| say | They say so. | They say not. |
| be afraid | I'm afraid so. | I'm afraid not. |
3. Gapping(ギャッピング)
Gapping は並列構文(and / or / but でつながれた文)の中で、繰り返される動詞部分を省く省略です。文の中間部分が「抜けている(gap)」ように見えることからこの名があります。
Gapping は書き言葉でも会話でも使われます。「and」の後に主語だけあって動詞がないように見える場合、前の節の動詞を補って読むと意味が通ります。特にニュースの見出しや報告書では頻繁に登場します。
接続詞節の省略
接続詞(when / if / while / though / once など)の後の節で、主語+be動詞が省略されることがあります。これを分詞構文的省略と呼ぶこともあります。
日本語話者が誤解しやすいケース
ケース1:「So do I.」と「So I do.」の違い
B: So do I. (私も好き)
B: So I do. (確かに私も好きだ、という強調・確認)
ケース2:VP省略後の時制の一致
ケース3:否定の省略「not」の位置
I don't think so. (日常的・自然)
I hope not. (日常的)
I don't hope so. (不自然 — hope not を使うべき)
読解への応用
英文の読解中に省略を正確に処理するためのポイントをまとめます。
- 助動詞単独の文を見たら: 先行する VP を探し、補って読む
- and の後に主語だけある文を見たら: Gapping を疑う
- so / not 単独の返答を見たら: 先行する節の命題内容を当てはめる
- 接続詞の直後に形容詞・過去分詞がある場合: 主語+be動詞が省略されている可能性がある
→ 「not approved by the shareholders」の省略
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ListenUpで練習する(無料)まとめ:英語の省略の3つの柱
- VP省略:助動詞を残して動詞句を省く(I can. / I did. / I will.)
- so / not 代用:think / hope などの後で節全体を so / not に置き換える
- Gapping:並列構文で繰り返される動詞部分を省く
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