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英語シャドーイングを無料で練習する方法
【研究が示す効果と「聴きながら読む」の組み合わせ】

「シャドーイングが効果的だと聞いたけど、本当に伸びるの?」「どんな素材で練習すればいいの?」そう疑問に思ったことはありませんか。

この記事では、シャドーイングの効果を研究論文の知見をもとに整理し、さらに「聴きながら読む(RWL)」との組み合わせが特に初中級者に有効である理由を解説します。最後に、今すぐ無料で実践できるツールも紹介します。

シャドーイングとは何か

シャドーイング(shadowing)とは、英語の音声を聴きながら、ほぼ同時に声に出して繰り返す練習法です。影(shadow)のように追いかけることから名づけられました。

主に以下の2つのバリエーションがあります。

  • コンテンツシャドーイング:意味を理解しながら音声を追う
  • プロソディシャドーイング:意味より音・リズム・イントネーションに集中して追う

一般的に「シャドーイング」と呼ばれる練習は前者を指すことが多く、本記事でも同様の意味で使います。

研究が示すシャドーイングの効果

初中級者の音素知覚とリスニングスコアに効果

シャドーイングの効果を最も広く引用される研究のひとつが、日本の国立大学のEFL学習者43名を対象にしたHamadaの研究(2016年)です。9回の授業を通じてシャドーイング指導を実施し、標準的なリスニングテストを事前・事後で比較しました。

結果として、低習熟度・中習熟度の両グループで音素知覚(音を正確に聞き取る力)が向上しました。また、低習熟度グループでは高校レベルのリスニングテストのスコアも有意に伸びています。

出典:Hamada, Y. (2016). Shadowing: Who benefits and how? Uncovering a booming EFL teaching technique for listening comprehension. Language Teaching Research, 20(1), 35–52.

注意点:同研究では、高習熟度グループではスコアの有意な向上が見られませんでした。シャドーイングは特に初心者〜中級者に有効な練習法であり、上級者への効果は現時点では十分なエビデンスがありません。

ボトムアップ処理の強化が中心的なメカニズム

2025年に発表されたシステマティックレビュー(El Moussaoui)では、1990年代末から2023年までのシャドーイング実証研究を網羅的に分析しています。一貫して見られた知見は以下の3点です。

  • 音素知覚の向上と単語認識の高速化
  • 音声デコードに困難を抱える学習者(リスニングが苦手な人)に特に有効
  • 学習者のエンゲージメントとメタ認知の向上
出典:El Moussaoui, M. (2025). Shadowing for Developing EFL Learners' Bottom-up Listening Skills: A Systematic Review. International Journal of Language and Literary Studies, 7(4).

つまりシャドーイングの主な効果は、「音の一つひとつを正確に聞き取る力(ボトムアップ処理)」の強化にあります。

「聴きながら読む(RWL)」の効果

シャドーイングが「声に出して追う練習」だとすれば、Reading While Listening(RWL)は「音声を聴きながらテキストを目で追う練習」です。声を出す必要がなく、より手軽に取り組めます。

語彙の偶発的習得を促進する

中国の高校生EFL学習者78名を対象とした10週間の研究(Wei & Hu, 2025)では、RWLグループが読書のみのグループと比べて、語彙の「音認識・意味認識・意味想起」の3次元すべてで優れた習得と保持を示しました。

出典:Wei, R. & Hu, D. (2025). Incidental Vocabulary Learning Through Reading While Listening in the Chinese EFL Classroom Context: A Longitudinal Study. SAGE Open.

リスニング処理速度が向上する

Chang(2011)は19名のEFL学習者を対象に26週間の介入を実施しました。RWLグループはコントロールグループと比べ、語彙習得・リスニングスコアの両面で優れた結果を示しています。特にディクテーション(聴いた音声を書き取るテスト)のスコアが顕著に向上し、これはリスニングの処理速度が改善したことを示しています。

出典:Chang, A. C. S. (2011). The effects of reading while listening to audiobooks: Listening fluency and vocabulary gain. Asian Journal of English Language Teaching, 21, 43–64.
※実験群サンプルサイズは7名のため、結果の一般化には限界があります。

RWLで注意したい点

RWLが特に有効なのは「語彙習得」と「リスニング処理速度」の向上です。一方、黙読のみと比較して「読解力全体」が向上するかどうかは、評価方法や習熟度によって研究結果が分かれており、現時点では一概に言えません。

どちらがいいのか?目的別の選び方

目的 おすすめ 理由
音の聞き取り精度を上げたい シャドーイング 音素知覚の強化に直接的な効果(Hamada 2016)
語彙を増やしたい RWL 接触回数が増え偶発的な語彙習得が促進される
リスニング処理速度を上げたい RWL ディクテーションスコアの向上に実績あり
声に出す環境がない RWL 無音でも実践可能、電車でも使える
発音・イントネーションを鍛えたい シャドーイング 実際に声に出すことでプロソディが身につく

どちらかを選ぶ必要はなく、目的によって組み合わせるのが合理的です。たとえば、「まずRWLで音とテキストを結びつけ、その後シャドーイングで声に出す」という流れは、多くの学習者に取り組みやすいアプローチです。

無料で実践する具体的な手順

以下のステップで今日から始められます。

1

自分のレベルに合った素材を選ぶ

「全体の8〜9割は知っている語彙」で構成されたテキストが理想です。知らない単語が多すぎると、音声を追うことに集中できなくなります。

2

まず音声+テキストで内容を理解する(RWL)

最初から声に出すのではなく、音声を聴きながらテキストを目で追い、意味を理解します。わからない単語があれば確認します。

3

声が出せる環境ならシャドーイングに進む

内容が理解できたら、同じ音声を使ってシャドーイングを2〜3回行います。音・リズム・イントネーションを意識して追います。

4

毎日短時間続ける

1回のセッションは10〜15分で十分です。長時間より毎日継続することがリスニング力向上には重要です。

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音声を再生すると、読み上げているその単語がリアルタイムでハイライトされます。目で単語を追いながら耳で音を確認する—この「耳が先、目が追う」体験が、音とテキストの結びつきを自然に強化します。

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本記事に引用した研究は、各論文の抄録・公表情報をもとに記載しています。研究結果はサンプルサイズ・習熟度・介入期間によって異なる場合があります。学術論文の詳細は原文をご確認ください。